
近年、地震・台風・竜巻・大雨などの災害が起き、日本をはじめ世界中の人々が脅かされ、大切な命が奪われています。
当社がツーバイフォー工法を取り入れているのには大きな理由があります。家はまず命を守れるものでなければならないと考えています。1974年の工法オープン化当時に、詳細な技術基準が制定されたツーバイフォー住宅は、さまざまな実大実験や実際に発生した大地震などにおいて、耐震性能の高さが実証され、約45年間技術基準はほとんど変更されていません。これはオープン化当初よりツーバイフォー住宅の技術基準が、建築の強度などをより高いレベルで確保できる規定に、なっていたことを示しています。この間に発生した阪神・淡路大地震、東日本大震災、熊本地震などでは、いずれも被害は軽微で卓越した耐震性を発揮し、住まう人々の命が守られています。
また、当社では省令準耐火仕様を採用しており、火災にも強い構造となっております。
家づくりの建築工法として一般的に用いられているのが、「軸組工法」と呼ばれる「柱」や「梁」で建物を支える工法です。
これに対して、ツーバイフォー工法とは構造用製材によってつくられた枠組みと、構造用合板で、パネル化され、床・壁・屋根の六面体の箱形のものを構成し建物を支えるもの。
軸ではなく面で支えるため、安定感があり、気密性や断熱性も高くなります。家全体が一体構造(モノコック構造)となるので、外力がバランスよく分散されるため地震や台風などの災害にも強い家となります。
ポイントモノコック構造はもともと、極限の強度が求められる航空機用に開発されたもの。スペースシャトル、新幹線、F1レーシングカーにも採用されるほど、極めて強固な構造です。
智建ホームでは、地震や台風からの外力を受ける壁面に、「転び止め(補強材)」を入れています。
手間はかかりますが、①外部に面する壁と②内壁の間仕切壁、全てに入れることで更に強固な構造になります。
▲「転び止め」、縦枠の間に横に木材を追加して、構造を強化。
品確法の住宅性能表示制度により、建物がどの程度の地震に耐えられるかを示す等級が「耐震等級」です。最低基準の「耐震等級1」で建築は可能です。ただし、ツーバイフォー工法では、容易に「耐震等級2、3」の性能を満たした建物の建築が可能です。
■等級1⇒建築基準法レベルの建物の強さ(数百年に一度程度発生する地震力に対して倒壊・崩壊しない程度。)
■等級2⇒建築基準法1.25倍の建物の強さ(数百年に一度程度発生する地震力の1.25倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度。)
■等級3⇒建築基準法1.50倍の建物の強さ(数百年に一度程度発生する地震力の1.50倍の力に対して倒壊・崩壊しない程度。)
熊本地震は震度7が2度発生しました。その前震・本震以降も、震度5以上の余震が多発し、建物は強い揺れを何度も受けましたが、ツーバイフォー住宅は「被害なし」及び「多少の被害」の住宅が97%以上を占めました。
熊本地震の調査結果
被害発生理由 | |||||
被害程度 | 強震変形 | 地盤崩壊 | 液状化 | その他 | 合計 |
---|---|---|---|---|---|
全壊 | 0棟 | 0棟 | 0棟 | 0棟 | 0棟 |
半壊 | 0棟 | 0棟 | 0棟 | 0棟 | 0棟 |
一部損壊 | 46棟 | 15棟 | 15棟 | 3棟 | 79棟 |
被害なし及び 多少の被害 |
2,861棟 | ||||
合計 | 2,940棟 |
東日本大震災では津波による被害を除けば、当面補修をせずとも居住に支障のない住宅が「98%」を占めました。同災害では津波による被害が甚大でしたが、津波に耐えたツーバイフォー住宅も存在していいます。漂流物で損傷している部分もリフォームを行い、現在も使用されています。
東日本大震災の調査結果
被害発生理由(津波を除く) | ||||||
被害程度 | 強震変形 | 地盤崩壊 | 液状化 | 類焼地 | 合計 | 津波被害 |
---|---|---|---|---|---|---|
全壊 | 0棟 | 6棟 | 0棟 | 1棟 | 7棟 | 105棟 |
半壊 | 2棟 | 33棟 | 34棟 | 0棟 | 69棟 | 128棟 |
一部損壊 | 319棟 | 61棟 | 16棟 | 17棟 | 413棟 | 410棟 |
計 | 321棟 | 100棟 | 50棟 | 17棟 | 489棟 | 643棟 |
多少の被害有及び被害無 | 19,633棟 | 7棟 | ||||
小計 | 20,122棟 | 650棟 | ||||
合計 | 20,772棟 |
(一般社団法人日本ツーバイフォー協会調べ)
阪神・淡路大震災と新潟中越地震2つの大地震では液状化、隣家のもたれかかりを除いた、本来の地震による被害は「97%が被害なし」の報告が出ています。
阪神・淡路大震災及び新潟中越地震の調査結果
被害発生理由 | |||||
被害程度 | 地震の揺れにより | 隣家のもたれかかりにより | 地盤の移動・液状化により | その他 | 計 |
---|---|---|---|---|---|
全壊 | 0棟 | 0棟 | 0棟 | 0棟 | 0棟 |
半壊 | 0棟 | 0棟 | 2棟 | 0棟 | 2棟 |
類焼 | - | - | - | 8棟 | 8棟 |
多少の工事が必要 | 3棟 | 21棟 | 158棟 | 101棟 | 283棟 |
当面、補修なしでも居住に支障ない | 198棟 | 35棟 | 185棟 | 2215棟 | 2633棟 |
小計 | 201棟 | 56棟 | 345棟 | 2324棟 | 2926棟 |
被害なし | 6747棟 | ||||
合計 | 9673棟 |
(一般社団法人日本ツーバイフォー協会調べ)
大正元年(1912年)貿易商の木下建平の別荘として建てられ、日本国内に現存するツーバイフォー住宅の中では最も古いものです。大正12年(1923年)関東大震災にも耐え、倒壊を免れています。現在、神奈川県大磯町の所有で、レストランとして活用事業が行われており、平成24年(2012年)2月には国登録有形文化財に登録されています。
ツーバイフォー住宅では、床や壁の枠組材、石こうボードなどが火の通り道となる部分の空気の流れを遮断。そのため、上階や隣室へ炎が燃え広がるのをストップします。床根太や枠組材など、一定間隔で組まれている独自の工法は、家全体に防火区域が何重にも作られているのと同じ。火の進行を遅らせる働きがあり、火災時の被害を最小限に抑える役割を果たしています。
(一社)日本ツーバイフォー建築協会ホームページより
ツーバイフォー住宅は「省令準耐火構造」に該当するので、火災保険では、木造でありながら鉄筋コンクリート造や鉄骨造の戸建て住宅と同じT構造扱いとなり、保険料が一般木造のH構造の半額程度です。
地震保険に関しても、鉄筋コンクリート造や鉄骨造の戸建て住宅と同じイ構造扱いとなり、保険料が一般木造のロ構造より4割程度安くなります。
(一社)日本ツーバイフォー建築協会ホームページより
ツーバイフォー工法では、わかりやすく規格化された構造用製材、構造用面材を使用します。それぞれの素材はJAS規格により厳しく定められています。
そのため、建物の構造体にかかるコストは変更できません。それは、耐震性や耐火性などの性能が、建物の価格に左右されることがなく安心という証です。一般的な木造軸組工法の家は、構造材に基準がないため柱や梁の樹種やサイズを変えることで、構造体でのコスト調整が可能になります。
JAS規格 日本農林規格
クギ、使用方法にいたるまで、全てマニュアル化されています。だからこそ、建築に携わる人材によって左右されることなく、どの建物にも均一に高品質な技術を用いることができます。作業効率も良いため、工期の短縮やコスト削減など住宅の品質だけでなく、多くのメリットをもたらす工法とも言えます。
1本ずつカラーリングされた専用クギ
住宅にかかる揺れの力を、ツーバイフォー工法と軸組工法とで比較してみました。軸組工法では加えた力が、柱や接合部分に集中してしまい、建物自体に変形や倒壊の恐れがあります。比べてツーバイフォー工法では、六面体構造で外力が分散され大きな揺れにも耐えることができています。
①床・壁・屋根で構成した面構造。
②柱を筋交いで支える軸による構造。